#2: 「rutin the bar valine」オーナー久保 誠さん
今回のウイスキーラヴァーは、大阪の中心地、心斎橋に佇む和bar「rutin the bar valine(るちん ザ バー バリン)」オーナーの久保 誠さん。「和bar」というだけあって、日本酒やジャパニーズウイスキーをメインに、和×洋のオリジナルカクテルなども豊富に取り揃えている。和洋折衷が織り成す空間は、まるで異国のようなエキゾチックな魅力を醸し出す落ち着いた雰囲気。オーナーの久保さんは、著者と共にウイスキーイベント「LOVE WHISKY?」を主催。そんな同志として、今回、満を持してインタビューページにご登場いただく。こだわりのバーをご紹介しながら、久保さんのバーを営むきっかけやバーオーナーとしてのやりがいについて聞いてみた。
日本料理人からバーテンダーへ
――バーを始めて何年目ですか?
「バーテンダーとしては8年くらい経験を積んで、その後、独立して10年経つので、トータルで18年です。」
――この業界に入るきっかけは?
「もともとは西麻布にある日本料理屋の料理人として働いていたんですが、仕事が終わった後にバーでも働きたいなと思って、六本木のバーでバーテンダーを始めました。」
――それが、なんと「BAR BOOZER」なんですよね?
「はい(笑)。」
――そもそもなぜ「BAR BOOZER」で?
「僕が働いていた西麻布の日本料理屋は、日本庭園がある和食屋さんだったんですが、日本庭園を囲んで反対側にバーがあって。バックバーにボトルはなくて、代わりに窓があって、日本庭園を眺められる。そんな素敵なバーの店長が、実は壮一さん(※現BAR BOOZERオーナー北風壮一さん)だったんです。つまり、壮一さんと同じ敷地内で働いていたんですよ。それまで、料理人一本でやってきたけど、お酒はもともと好きだったから、そのバーでも仕事終わりに飲んだりしていました。」
BAR BOOZERにサービスの凄さを教わった
――全然知らなかった!(笑)
「今までこの話はしたことなかったですね(笑)。その時に、壮一さんのサービス業、接客の仕方がすごいな、と感じて。今まで料理人としてずっと厨房にいて、ホール業務というのをあまり知らない中で、『サービス』って本当に大切だと思ったんです。これができないと、自分でお店を開いたときに、お客さんに対する色々なことがちゃんとできないと感じさせられました。それで壮一さんに直接教わりたいと思って、BAR BOOZERでバイトすることになったんです。」
――もともと自分のお店を持つという夢がずっとあっったんですね?
「はい。そのために、いろんなお店で経験を積みました。自分のお店は30歳までに出そうという目標があったんです。結果、ちょっと過ぎたけど、他にも様々なタイミングが重なって、2011年に念願の店をオープン。最初は地下に『そば居酒屋るちん』を、2014年に同じビルの2階が空いたので、そこにこの『rutin the bar valine』をオープンさせました。
お客さんが居心地よく過ごしてくださることが嬉しい
――バーをやっていて、いいなと思うことって?
「BAR BOOZERで働いているときにすごく感じたのは、お酒を通じてお客さん同士が仲良くなって、交流できるバーっていいな、と。そういうお店をやりたいなって、ずっと自分の中にありました。」
――ほんとバーってすぐ仲良くなりますよね(笑)?
「ね(笑)。その場にいる人たちの、お酒を交えた交流。これこそ、バーの醍醐味ですね。」
――逆にバーをやってて大変だなぁって思うことは?
「うーん・・・。強いて言うなら、酔っ払いすぎている人の対応ですかね。たまに貸切とかで40人レベルだと、中にはものすごく酩酊してしまう人がいらっしゃるので、その対応は少し大変かな。でも、それも年に数えるほどですけどね。」
――40人も入れちゃうほど広々としてますものね!その広さもけっこう大変だったり?
「そうですね。でもそれは業務上の大変さなので、苦ではないです。オーナーとして、従業員の育成は一番大変かもしれない。でも、とにかくお客様が来てくださって、居心地よく過ごしでくださるのが嬉しいし、それに尽きます。
お酒もお食事も存分に味わえるのがこだわりですね
――rutin the bar valineのこだわりは?
「地下の『そば居酒屋るちん』の姉妹店として始めたバーなので、食事もできるところですね。『るちん』のメニューをそのままバーでも召し上がっていただけます。あとは『和バー』として日本のお酒を拘って仕入れているところ。ジャパニーズウイスキーは、味わいももちろんだけど、地域性だったり、バリエーション豊富になるように取り揃えています。バックバーの障子をはじめ、内装も『和』にこだわっています。」
――最後に、ルーツである『BAR BOOZER』の壮一さんにぜひ一言、どうですか(笑)?
「恥ずかしいけど、はい(笑)。料理人もそうかもしれないけど、バーテンダーも『職人』っていうカテゴリーに入ると思うんです。人間性がすごく現れる職業だなって。20代は丸々壮一さんにお世話になって、バーテンダーとしてのノウハウを教わりながら、人間としてすごく育ててもらいましたね。『師匠』という感じで、尊敬しています。」
――このサイトをご覧の方にも、メッセージを!
「ウイスキーを通じて『バーを楽しむ』体験をしてもらえたらと思います。このバーは、落ち着いた雰囲気の中で、ジャパニーズウイスキーをはじめ日本のお酒はもちろん、お食事も楽しめますので、心斎橋にお越しの際は、ぜひお立ち寄りください!」