#2: 「BAR BOOZER」オーナー北風 壮ーさん
今回のウイスキーラヴァーは、港区六本木にある「BAR BOOZER」オーナーバーテンダーの北風 壮ーさん。赤で統一された店内は、ニューヨークのソーホーをイメージ。たしかにモダン&シックで、どこかロックなフレーバーも漂う。六本木という都会のど真ん中にありながら、すごく落ち着くのはなぜだろう・・・。実は著者が学生の頃から通い続けている思い入れの深いバーでもある。今回は、そんなとっておきのバーをご紹介すると共に、オーナー北風さんのバーを営むまでの経緯やバーオーナーとしてのやりがい、こだわりについて聞いてみた。馴染みのバーなのに初めて知ることがたくさんあって、とても興味深いインタビューに!
学生の頃行ったバー体験が、僕の人生を決めた
――バーを始めて何年目ですか?
「ブーザーは昨年の11月で18周年を迎えたので、19年目です。」
――そもそもなぜバーテンダーになろうと?
「学生の頃に先輩がバーをオープンしたと聞いて同級生のみんなと遊びに行ったんですけど、『楽しい!』『かっこいい!』と、一発でバーテンダーに憧れてしまい、この仕事だなと、決めました。これでいこうと。高2の頃でした。」
――すごい衝撃だったんですね。
「はい。でも、高校卒業して、就職先としてバーっていうのはなかなか見つからず、仕方なくどこか別のところに就職して、夜にバーで働くことにしたんです。」
――どこに就職したんですか?
「パン屋です(笑)。ただ、もう心では『バーで生きていこう』と固く決めている身にとって、昼間の仕事がなかなか辛くて、すぐにパン屋は辞めてしまいました。
途方に暮れていた頃、先輩から『京都のホテルのバーがバーテンダーを募集してるよ』と紹介していただき、すぐに応募、ありがたい事にそちらに就職することができたんです。」
「俺の方ができる。」満を持して、自分の店をオープン
――舞い込んでくるもんですね!
「ね(笑)。感謝しかないです。こちらで雇っていただけた事が人生の転機になりました。こちらで一生懸命働く様になって。チーフバーテンダーにもなって、ますます頑張っていた時、東京からお越しのお客様から、『東京でバーをオープンするからチーフで来てくれ』とお誘いをいただき、お受けしました。」
――それがきっかけで上京したんですね。
「そうです。広尾のお店でした。24歳でした。一年契約で。契約で終わった後も、修行という名目で西麻布、麻布十番と他のバーでも働きました。若気の至りでお恥ずかしいのですが『俺の方ができる』と常に感じてしまって。だったら自分でやった方がいいということで、店をオープンすることにしました。」
――それがこの「BAR BOOZER」?
「そうです。27の時にオープンして、早いもので丸18年。19年目に突入しましたね。」
バーテンダーが天職だと思う
――バーをやっていて、いいなと思うことって?
「バーはほんとに楽しくて。学生の頃、初めて行ったバーの先輩たちが楽しそうに仕事してるのが、本当にいい感じだったのをすごく覚えてます。いいなと思うところは、そうですね、たとえば自分がプライベートでバーに飲みに行ったら、たとえ明日仕事だったとしても早く帰りたくないじゃないですか?でも自分が勤めてる側だったら、そんなこと気にせず、みんなと一緒に最後まで楽しめるでしょ?(笑)。そこが良いところかな。」
――やりがいはどんなところ?
「つながりですね。10歳、20歳年上の人と、繋がれる喜びがあります。出会いが、とにかく楽しい。あと、若い頃からやっているので、お客さんと共に成長してる感じもいいですね。みんな出世もしていくしね、一緒に成長しているのが楽しいです。」
――逆にバーをやってて大変だなぁって思うことは?
「多分、僕、すごくこの仕事に向いていて、苦手な人が基本いないんですよ。大変だなと思うことが思い当たらない(笑)。天職だと思う。」
お客さんにとっての「サードプレイス」でありたい
――BAR BOOZERのこだわりは?
「一人でふらっと来てもらえるバーがいいなと。
サードプレイスみたいな場所になってもらえれば嬉しいです。しばらく来なくても思い出してもらえる場所でいたい。「ただいま」って感じで。そのためにも、『変えないこと』が、こだわりですね。」
――最後にこのサイトをご覧の方に、メッセージを!
「ウイスキーは幅広く取り揃えています。僕自身はスタンダードのカクテルが得意なんです。ギムレット、マンハッタン、マティーニ・・・実は今、そういったクラシックカクテルをちゃんと作れるところが意外と少なくて、そこに自信があります。旬のフレッシュフルーツカクテルもおすすめです。ぜひ気軽に飲みに来てください!」